【2026年度版】設備投資で損しないために、買う前に確認したい3つの税制優遇

設備投資を行う前に確認すべき税制優遇は、①中小企業経営強化税制(即時償却または10%税額控除)②中小企業投資促進税制(特別償却30%または7%税額控除)③先端設備等導入計画(固定資産税の軽減)の3つです。いずれも「取得前の手続き」が必要なため、設備発注前の確認が不可欠です。

設備投資でいちばん差がつくのは、「買う前に確認して準備をしたか」です。同じ設備でも、事前に制度を押さえているかどうかで、数十万〜数百万円単位で負担が変わることもあります。

最初にポイントだけ

設備投資の税制優遇は、大きく次の2つに分かれます。

  • 固定資産税は先端設備等導入計画で軽減
  • 国税(法人税・所得税)は投資促進税制または経営強化税制で優遇

大切なのは、「どれを使うか」ではなく「設備ごとに使い分けること」です。

購入前に特に確認すべきなのは、先端設備等導入計画の対象になるか、中小企業経営強化税制の対象になるかという2点です。この2つは認定前に購入すると使えなくなる可能性があり、認定には準備も含め1〜2ヶ月程度かかります。

全体像|固定資産税と国税で役割が違う

設備投資の税制は、役割で整理するとシンプルです。

  • 固定資産税 → 先端設備等導入計画
  • 国税 → 投資促進税制 または 経営強化税制

重要なのは、固定資産税と国税は組み合わせて検討できること、ただし国税同士は同一設備に重ねて使えないことです。

最重要|買う前に「対象かどうか」を確認する

設備投資ではつい、いくらかかるか、いつ納品されるか、補助金はあるかに目が向きがちです。しかし税制の観点では、「買う前に制度の対象となるか確認したか」が最も差がつきます。

特に次の2制度は要注意です。先端設備等導入計画と中小企業経営強化税制はどちらも認定が前提の制度のため、取得後に「実は対象だった」と気づいても間に合わないことがあります。

実務では、「見積の段階で確認していれば使えたのに」というケースが少なくありません。

① 先端設備等導入計画|固定資産税の軽減

市区町村の認定を受けることで、固定資産税の軽減が受けられる制度です。

  • 賃上げ1.5%以上:3年間、課税標準1/2
  • 賃上げ3.0%以上:5年間、課税標準1/4

実務での最重要ポイント:認定後に取得することが必須です。先に購入すると、あとから申請しても適用できません。

よくある誤解:「計画対象」と「固定資産税特例対象」は同じではありません。例えば、ソフトウェアは計画対象にはなり得るが、固定資産税特例の対象外です。

② 投資促進税制|国税の基本メニュー

対象設備について、30%特別償却 または 7%税額控除が選択できる制度です。

注意点:対象設備は限定されています。機械装置、一定の工具・ソフトウェアなどが対象です。PCやデジタル複合機は原則対象外です。「設備投資=何でも対象」と思われがちですが、実際には範囲はそれほど広くありません。

③ 経営強化税制|幅広いが”事前確認必須”

投資促進税制でカバーしきれない設備を検討する制度です。即時償却 または 10%税額控除(条件により7%)が選択できます。対象設備は比較的広く、器具備品、建物附属設備、ソフトウェアなども含まれます。

重要な前提:この制度も認定(経営力向上計画)が必要です。したがって、購入前に対象になるか確認しておくことが必須です。

さらに注意点:「幅広い=何でも使える」ではありません。事業への直接供用性、設備要件、類型要件などを満たす必要があります。

実務でハマりやすいポイント

PC・複合機の扱い

投資促進税制は原則対象外、経営強化税制は要件を満たせば対象の可能性あり(要個別判断)です。「そのままスライドできる」とは限りません。

国税の重複適用は不可

同一設備について、投資促進税制と経営強化税制を同時に適用することはできません。

税額控除には上限がある

税額控除の合計は、当期法人税額の20%が上限です。複数設備がある場合は、どの設備にどの制度を使うかの設計が重要になります。

設備投資前に確認したい3つ

最低限、次の3点は見積段階で確認しておくことをおすすめします。

  1. 先端設備等導入計画の対象か:認定前取得にならないか、固定資産税特例の対象まで満たしているか
  2. 経営強化税制の対象か:投資促進税制ではカバーできない設備か、要件を満たすか
  3. 税額控除の枠に収まるか:当期の利益・法人税額との関係、どの設備にどの制度を当てるか

まとめ|設備投資は「事前確認」で差がつく

設備投資では補助金に目が向きがちですが、実務では税制の事前確認で結果が大きく変わることも少なくありません。特に、認定前に購入すると使えない制度がある、PCや複合機は制度ごとに扱いが異なる、税額控除には上限があるといった点は、見落とされやすいポイントです。

だからこそ、見積段階で制度を整理しておくことが、もっとも取りこぼしの少ない進め方です。機械更新、PC・複合機の入替、ソフトウェア導入などをご検討の方は、見積段階でのご相談をおすすめします。

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よくある質問

Q. 先端設備等導入計画の認定にはどれくらい時間がかかりますか?

A. 書類準備から市区町村の認定まで、通常1〜2ヶ月程度かかります。設備の発注・購入は必ず認定後に行う必要があるため、導入希望日から逆算して早めに動き始めることが重要です。

Q. 投資促進税制と経営強化税制は同じ設備に重ねて使えますか?

A. 使えません。同一設備には一方の制度のみ適用できます。どちらが有利かは設備の種類・取得額・当期の法人税額によって異なるため、税理士と事前に確認することをおすすめします。

Q. 即時償却と税額控除はどちらが有利ですか?

A. 一般的に、利益・税負担が大きい期は税額控除、将来の課税所得が見込める場合は即時償却が有利とされますが、個別状況によって異なります。必ず税理士の先生と試算した上で判断してください。